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住宅コラム:住まいの「寒さ」が・・・。

2020年6月28日

住まいの「寒さ」健康と密接な関係にある!?

長く健康的に過ごす為には、食生活や運動面だけでなく、住まいの環境が重要だという事を知っている方はあまり多くありません。

暖かい居間と寒い廊下や洗面、あるいはお風呂との温度差により血圧の急変動が起こる事を「ヒートショック」と言います。このヒートショックが原因でなくられる方は、年間約1万7000人とも言われております。これは交通事故でなくられる方の実に4倍以上にも及んでおります。「入浴時の溺死」もヒートショックが原因と言われております。

この様な事故が起こる一番の要因は一体何なのでしょうか?多くの専門家が住まいの断熱性能の低さを指摘しております。つまり、断熱性能が高い家程、こうした事故を未然に防げるのです。

高断熱の家とは、室内と室外で熱の行き来が少ない家の事を言います。住宅の外部に接する壁・屋根・窓などから、熱が逃げにくくなりますので、冷暖房の効率も良く、省エネで夏涼しく冬暖かい快適な住環境が実現します。

快適な住環境を考える上で、断熱性だけでなく気密性についても是非考えて頂きたいと思います。残念ながら現行の省エネ基準には気密性に関する基準が設けられておりませんが、気密性とは隙間風がどれだけ入るのかという事、つまり気密性が悪いという事は少々暖房しただけでは熱はどんどん逃げていき、光熱費がかさむだけでなく、外部からの湿気も入り易く暖房器具を使用するだけで水蒸気が多く発生し結露の発生にも繋がります。この結露の発生が後にカビやダニの発生へと繋がっていくのです。

ですから、快適な住環境を手に入れる為には、断熱性能だけを重視するだけでなく、断熱性能と併せて気密性能についても重視して行く事が住まいの環境を考える上で大切になってきます。

健康に影響を及ぼす住宅の環境とは?

健康と住環境との関連性は、今なお様々な調査・研究が行われております。ここでは健康に影響を及ぼすと言われている住環境をいくつかご紹介致します。

・建材や家具による空気汚染
【化学物質によるシックハウス症候群】:アレルギー 食欲不振
・寒さによる影響①
【さむい室内】:風邪・肺炎・気管支炎・血圧上昇を助長
・寒さによる影響②
【温度差:ヒートショック】:急激な血圧変動による血管へのダメージ
・寒さによる影響③
【結露への影響:カビ・ダニによるシックハウス症候群】:アレルギーなど
・暑さによる影響
【暑い室内】:熱中症
・湿度による影響
【高湿度/低湿度】:熱中症/風邪・気管支炎
・建材の材質・色・ニオイなどの影響
【ストレス因子】:ストレス性の疾病など
・段差や手摺無しなどによる幼児や高齢者の怪我など

寒さが健康に及ぼす影響とは?

日本の3大死因は、ガン・脳卒中・心臓病ですが、これらの原因と言われている高血圧・高脂血症・糖尿病などの患者が近年増えております。

一般的に生活習慣を改善する事でこれらの疾病を予防する取り組みがなされていますが、一方で外部環境も疾病の発生要因になっているようです。この外部環境の一つとして「住宅の寒さ」が挙げられます。

室温の低下による影響

イギリスの住宅の健康・安全評価システム(HHSRS:Housing Health And Safety RathingSystem/2006年施行のイギリス住宅法の一部で、基準ではなく、危険性の大きさの程度を示すもの)によると、例えば、室温が16℃以下では高齢者に関しては呼吸疾患や血管疾患などの大きな健康リスクがあるとしています。

また、10℃以下では、心臓発作・脳卒中などの心血管疾患による冬季の死亡率が50%上昇するとしています。年齢別に室温と血圧の関係を調べたところ、高齢者ほど室温低下によって血圧上昇を起こしやすい事が分かってきました。
血圧上昇は血管疾患の発症要因の一つですので、HHSRSの評価を裏付けていると言えます。

ヒートショックによる影響

断熱が貧弱だと、冬には室内から外へと熱が大量に逃げていく為、住宅内に温度差が発生しやすくなります。その結果、常に人がおらず暖房していない部屋(起床時の居間、冬のトイレ、浴室など)や廊下の室温はとても低くなります。

大きな温度差のある部屋を行き来すれば、血圧の急変動が起こります。これが「ヒートショック」です。いわゆる「入浴死」もヒートショックによる血圧変動が影響していると言われており、年間で1万人を超える方が亡くなっています。また、亡くならないまでも、脳血管疾患等による後遺症で介護が必要となるケースがあります。

断熱性能だけじゃない!気密性能も大事なんです!!

気密性というのは、簡単に言ってしまえば住宅にどれだけ隙間があるのかを表しており、気密性が良ければ良いほど隙間が少ないと言えます。
以前の省エネ基準にはこの気密性に関しての基準がありましたが、現行の平成25年改正省エネ基準では、この基準が削除されました。しかし、だからと言って、気密性を無視してもいいというわけではありません。
健やかな生活・快適な生活を求める上で、断熱性能と同じくらい気密性も大事な事なのです。

仮に、断熱性能が良くても、気密性能が悪ければそれだけ建物に隙間が多いわけですから、少々暖房したところで熱が隙間からどんどん逃げていき、光熱費がかさんでいくだけでなく、外の湿気も室内に入り易く、暖房器具を使用すれば水蒸気を多く発生させる事になり、結果、結露の発生に繋がっていきます。

そしてこの結露はカビやダニの発生へと繋がっていくのです。最終的には住む方への健康被害へと繋がるのです。
ですから、単に断熱性能を上げれば良いというわけではなく、気密性に関しても重視して行く必要性があります。

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