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【本当に地震に強い家?】「耐震等級○相当」に注意!②

2020年2月7日

前回は、「耐震等級をアップするメリット・デメリット」までお話をしました。今回はその続きです。前回と同様会話形式にてお話を進めさせて頂きます。

【耐震等級〇相当・・・”そ・う・と・う”というセールストークに注意!!】

ここからは、「耐震等級〇相当の注意点」について説明させて頂きます。「相当」と言う言葉は実に便利で、あたかも実際の耐震性能を満たしているかのような説明で売り込んでくる住宅営業マンもいるので、注意して下さいね。

初音さん:えっ!「相当」って「同程度」って事じゃないんですか!カタログに「耐震等級3相当」って書いてあったら「地震に強い家」だと普通思いますよ~

:本来は、おっしゃる通り「相当」は「ほぼ等しい事」を表す言葉なんですが、ひどい住宅会社になると簡易的な壁量計算で「耐震等級〇相当」と売り出している事もありますし、他にも上級スペックやモデルハウスの耐震等級を指していたり、おおよその予測だったりする事も決して珍しい事ではないんです。
そもそも、建物の構造や形状・間取りが決まっていなければ、耐震等級の計算は出来ないわけですから。

【壁量計算とは】
地震力や風圧力などの水平力に抵抗する耐力壁の量を長さに換算する事で、建物の構造の安全性を確かめる簡易的な計算方法の事。建築確認申請の際には、四号建築物(一般的な木造2階建て等の小規模な建物)のみ可能
※木造3階建て等、規模の大きな建物では認められない

耐震等級を証明する方法は?

実際に耐震等級を評価するには、水平力だけでなく、鉛直力に対する構造の安全性が確認できる「構造計算」と呼ばれる方法を用いるのが一般的です。構造計算には下記の4つの計算方法がります。

〇許容応力度計算
〇保有水平耐力計算
〇限界耐力計算
〇時刻歴応答計算

構造計算を用いない場合、四号建築物(一般的な木造2階建て等の小規模な建物)であれば、「壁量の確保」や「耐震壁線間の距離」「床組等の強さ」「接合部の強さ」「小屋組み・床組・基礎その他の構造耐力上主要な部分の種別・寸法・量及び感覚」「構造強度」と言った仕様規定を満たす事で、耐震等級3を取得する事も可能ですが、最近では「構造計算」を用いる住宅会社が多くなりましたので、あまり目にする事はなくなりました。

:「住宅会社がどの計算方法を採用しているか」まで知る必要はありませんが、一般的に構造計算を行っていない建物については「実際の耐震等級はいくつかを知る術はない」と覚えておくと良いでしょう。そうすれば、「耐震等級〇相当」という曖昧な言葉に惑わされる事はなくなりますよ。

初音さん:そっか~でも、間取りと形が決まらないと耐震等級が分からないんじゃ不安よね~実際に計算してみたら、望む耐震等級でなかったらショック!

:最近では、耐震等級3・構造計算が標準仕様と言う住宅会社が一般的になってきましたので、これらを踏まえてご要望に対し、使い勝手を考慮して、「柱」や「梁」「耐力壁」の配置やサイズを変更したり、建物の階高の調整など、出来る限り工夫して、ご要望を反映した間取りやデザインを提案してくれると思います。

初音さん:そっか~間取りやデザインだけでなく、建物の耐震性能にも気を使って提案してくれる住宅会社もあるんですね。ホント、家づくりって、知らないと損したり、取り返しがつかないことも多いんですね・・・。でも、住宅会社に任せておけば、営業マンから説明があるんですよね。

:申し上げにくいのですが、住宅の営業マンだからと言って家づくりにかかわる知識は多岐にわたるので、必ずしも知っているとは限りませんので「詳しい説明」や「注意喚起」を必ずしも受けられると思わない方が良いと思います。また、打ち合わせの省略化を進める住宅会社もありますから、詳しい説明を聞けないこともありえます。説明義務がないので、住宅会社の担当者に依存するのは得策だとは言えないでしょう。

初音さん:げっ!住宅会社にお任せじゃダメなんですね!

:知らないことは気付きようがありませんから、まずは、広く浅くでかまわないので、家づくりに関する様々な情報を収集しましょう。収集した情報の中から取捨選択して、自分達の理想のマイホーム像を見出して行く事が、家づくりを成功させる早道ですよ。

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