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耐震性能は「耐震等級3」を基準に

2019年10月28日

はじめまして、あおば住建の山崎です。よくお客様から話を聞くのですが、「住宅会社を廻っていろいろ話を聞いてみたものの、自分達の商品の話ばかりで結局何が良くて悪いのか・・・。」これでは確かに何をどう選んでよいのか分かりませんよね。そこで、このコーナーでは、家づくりをされる皆様方に住宅を選ぶ上でのポイントを定期的に配信していきたいと思います。
それでは、記念すべき第1回目は「耐震」についてです。最後までお読み頂き、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

耐震性能は耐震等級3を基準に!!

建物の耐震性は「耐震等級3」を基準にお考え下さい

「耐震等級」とは?

耐震等級とは、一言で言うと地震に対する建物の強さを表す等級です。
平成12年から実施された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で、お施主様に判りやすくする為、申請の基準として1~3の数値表示による3段階の耐震等級となりました。
現行では、建築基準法の条件をクリアすると、「耐震等級1」となります。

耐震等級1(建築基準法の最低限度)の耐震性とはどの位?

平成12年から実施された品確法における耐震等級では、「損傷防止」「倒壊等防止」という二つの考えがあります。

「損傷防止」とは、10年に1回は起こりうる(震度5程度)地震に対して、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないレベルの耐震性です。

「倒壊等防止」とは、100年に1回は起こりうる(震度6強~7)地震に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないレベルの耐震性です。

ザックリ言いますと、耐震等級1の建物は、震度5程度の地震ではほとんど壊れませんが、震度6強~7の地震に対して、倒壊はしないが柱・梁・壁等の主要な部分に甚大な損傷を及ぼし、建て直しが必要になるぐらい壊れてしまう可能性が高いレベルの耐震性を想定しております。
つまり、熊本地震のような大地震の後には仮に倒壊は免れたとしても建替え、もしくは大規模な修繕をしないと住み続けることが出来ないレベルの耐震性、これが建築基準法上の最低限度の耐震性(耐震等級1)なのです。

熊本地震から学んだ「耐震等級3」の重要性

直近の大地震と言えば、皆様のご記憶に新しい、平成28年4月に発生した熊本地震です。余震・本震にて震度7が2度計測されました。観測史上初となる震度7が連続発生した事で、震源地付近に位置する益城町周辺では、甚大な建築被害が発生しました.今も尚、復興・復旧作業が続いており、被害にあわれた方の事を思うと大変胸が痛みます。
公的な被害調査報告では、現行の建築基準法(H12年新耐震基準)で建てられた住宅であっても、複数の全壊・倒壊事例が報告されており、建築業界にも激震が走りました。

一方で、甚大な被害があった益城町周辺においても、「耐震等級3」で設計された住宅は、ほぼ無被害又は軽微な被害状況であった事が報告されております。この事は専門家の間でも注目されており、こうした事から多くの専門家が、今後起こりうる大地震に備えて「住宅の耐震性は耐震等級3にすべきである」と提唱し始めております。

これからの住宅に本当に必要なのは「命を守る」だけではなく地震後の「生活をも守る家」

建築基準法で定める建物の耐震性能は、「ご家族様の命を守る」事が最低基準として考えられております。つまりご家族様の命は助かるが「家の損傷が激しく、その後、住める状態ではなくなる可能性がある。」という事です。もちろんご家族様の命を守る事は最優先事項であり、当然の事です。しかし、現実的に考えれば、大地震の後、軽い補修で済み、その後も住み続けることが出来る家に住むご家族様と、何とか倒壊は免れたがその後建て替えをしなければならない家に住むご家族様とでは、その後の人生に雲泥の差が生じます。
だからこそ、これからの住まいのあるべき姿とは「ご家族の命を守る」事はもちろんの事、「震災後の生活をも守る」家にすべきだと私は思います。

地震大国、日本だからこそ・・・

阪神・淡路大震災から25年が経ちますが、今日までに各地で震度6以上の地震が100年に1回どころか5~10年に1回の頻度で発生しています.(上図参照の事)近年では、皆様のご記憶に新しい熊本地震で、余震と本震で2度震度7を計測、甚大な被害をもたらしました。今も尚、復興・復旧作業が行われている事に胸が痛みます。また、気象庁の発表では「国内において地震が発生しない地域も、大きな地震が今後起こらない地域もない」とのコメントがありました。
こうした事からも、震度6強以上の地震における建築被害まで考えていない現行の建築基準法の最低基準(耐震等級1)では、「ご家族様の命を守ることは出来ても安心安全な人生を守るには足りない」と考えておいた方が良いのではないでしょうか。

少し話は逸れますが、昨年2018年に日本で起きた地震の回数を皆様はご存知ですか?
気象庁の発表によりますと、2018年に国内で発生した震度1以上の地震は2179回にものぼり、このうち震度5以上の地震は計11回観測されたそうです。365日で割ってみると、実に1日5回以上地震が起きている事になります。
また、過去5年間で見てみると、熊本地震があった2016年の6507回に次いで2番目に多い年でもありました。こうした事実を考えてみると、将来起こりうると言われている南海トラフ地震もいつ起きても不思議ではありません。特に我々が住むここ静岡県は南海トラフ地震の中心に位置しています。
だからこそ、静岡県で家を建てられるのであれば、「地震対策を惜しまない」事をお勧めいたします。

最後に「耐震」とは、いつか来るであろう大地震への備えです。そこで、家づくりをされる皆様方にご提案があります。建物の耐震性能については現行最高ランクの「耐震等級3」で住宅をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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