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住宅コラム:家づくりで見落としがちな快適な住環境と換気計画の関係性 その②

こんにちは、あおば住建の山崎です。前回は、快適な暮らしを得る為には「換気」は欠かせない事までお話をさせて頂きました。今回はその続きとなります。それでは。

 

【換気方法の違いによる特徴】

私:「一口に「換気」といっても、主に「自然換気」と「機械換気」に分けられ、それぞれにも幾つかの分類があるので、まずは簡単に特徴を説明します。」

『自然換気の種類』
自然換気には、建物の「内」と「外」で自然に発生する「温度差」と「気圧差」を利用した2種類の方法があります。

【温度差による換気】
空気の「温かくなると上昇する」特性を活かした換気方法です。換気量は、建物の開口面積の大きさの他に、「給気口と排気口の高低差の平方根」や「建物内部と外部の温度差の平方根」に比例して大きくなります。

◇メリット

・機械が必要ないので、コストがかからない
・一度で多くの換気量を得る事が出来る

◆デメリット

・換気に温度差が必要な為、部屋によって効果の差が生じる
・温度差が少ないと、必要な換気量を確保できない
・換気量の調整が難しい為、計画的な換気が困難

【気圧差による換気】
空気の「圧力の高い方から低い方へ流れる」特性を利用した換気方法です。換気量は、建物の開口面積の大きさの他に、「建物内部と外部の圧力差の平方根」や「外部風力の2乗」に比例して大きくなります。

◇メリット

・機械が必要ないので、コストがかからない
・一度で多くの換気量を得る事が出来る

◆デメリット

・風通しの悪い部屋には十分な換気が期待できない
・風が弱いと必要な換気量が確保できない
・換気量の調整が難しい為、計画的な換気が困難

初音さん:「あのーさっきから「数学」か「物理」を聞いているみたいで、さっぱりわからないのですが・・・。」

私:「申し訳ございません。簡単に言うと、どちらも換気する開口部が大きいほど、換気量が増えるんですが、建物内外の「温度差」や「圧力差」も大きく影響してくるので、計画的な換気をするのが困難という事です。ですが、短時間で室内の空気を入れ替えるには向いている換気方法です。」

『機械換気の種類』
人為的に換気扇などを取り付ける事で換気を行う方法を「機械換気」と呼びます。この機械換気ですが「給気口」や「排気口」の仕組みによって、3種類に分類されます。

【第1種換気設備】
給気口と排気口の両方に機械設備を設けた換気方法です。第1種換気設備の特徴は、室内の気圧を「負圧(室外に対してマイナスの圧力)」と「正圧(室外に対してプラスの圧力)」のどちらにも調整できるので、「高気密住宅」や「クリーンルーム」などで積極的に用いられます。これまで住宅では第3種換気設備が主流でしたが、近年、この第1種換気設備を採用する住宅会社が増えています。

◇メリット
・性能の高いフィルターを用いれば、外気に含まれる有害物質を除去できる
・熱交換システムを組み込みことができる
・室内の換気量の調整が容易

◆デメリット
・導入時のイニシャルコストが高額になりやすい
・日々に必要なランニングコストも高額になりやすい
・フィルターの交換など、メンテナンスを怠ると性能が劣化してしまう

【第2種換気設備】
給気口に機械設備を設け、排気口に開口を設けた換気方法です。第2種換気設備の特徴は、室内の気圧を「正圧」に保てるので、建物の隙間から空気が内部に流入する心配がなく、「病院の手術室」などに用いられますが、一般的な住宅に導入される事はほとんどありません。

◇メリット
・換気設備を取り付けた部屋の空気を清浄に保てる
・イニシャルコストやランニングコストを抑える事が出来る
・室内の換気量の調整が容易

◆デメリット
・一度に大量の換気をするには、出力の大きな機械が必要
・室内の空気を強制的に排出する為、外気温の影響を受けやすい

【第3種換気設備】
給気口に開口を設け、排気口に機械設備を設けた換気方法です。第3種換気設備の特徴は、室内の気圧が「負圧」になるため、取り付けた近辺の汚染空気が流出する心配がなく、多くは「トイレ」や「キッチン」等に設置されます。一般的な住宅では、最も採用されている換気設備です。

◇メリット
・ニオイの発生しやすい場所に取り付ければ、ニオイの発散を防いでくれる
・イニシャルコストやランニングコストを抑える事が出来る
・室内の換気量の調整が容易

◆デメリット
・一度に大量の換気をするには、出力の大きな機械が必要
・室内の空気を強制的に排出する為、外気温の影響を受けやすい

 

初音さん:「一口に機械換気と言っても、たくさんの種類があるんですね。ところで、一番おススメの効率の良い換気方法は一体どれですか?」

私:「それぞれの換気方法によって適した場所があり、コストも大きく変わりますので、一概にどれとは言いにくいのですが・・・。私個人的には、より快適な住環境を求めるなら、「第1種換気設備」と「熱交換システム」の併用をおススメします。ただし、導入費用や運用費用が高額になりますので、デメリットも忘れてはいけません。コストが安価な「第3種換気設備」でも、建物の気密性能をUPさせれば、計画的な換気が可能なので、快適な住環境を得る事も可能です。」

※「熱交換とは?」
排出される空気の熱エネルギーを流入する空気の熱エネルギーと交換する仕組みの事、夏季には室内から排出される冷たい空気を利用して、室内に取り入れる外気を冷やし、冬期には室内から排出される温かい空気を利用して、室内に取り入れる外気を温める事が出来ます。

今回はここまでです。次回はこのコラムのまとめになります。楽しみにしてて下さい。

 

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住宅コラム:家づくりで見落としがちな快適な住環境と換気計画の関係性 その①

こんにちは、あおば住建の山崎です。

マイホームを購入される方に理由をお聞きすると、多くの方が「快適な暮らしをしたい。」とおっしゃります。その為には、「情報収集」や「努力」を惜しまず、「間取り」や「最新の設備機器」「断熱性能」などにこだわっていらっしゃいますが、その反面、「換気性能」について意識してこだわっている方は、ほとんどいらっしゃいません。
しかし、快適な暮らしをする為に、「室内の汚れた空気」と「外のキレイな空気」の入れ替えをするための「換気計画」が、おそらく皆様が想像されている以上に大切な事なんです。そこで、今回は、室内の快適性を暮らしをする為に欠かせない、換気についてお話しします。

【快適な暮らしに換気が欠かせないのは何故?】

私:「初音さんに質問します。室内で快適に暮らす為にどんな事に気を付ける必要があると思いますか?」

初音さん:「急にそんな事をいわれても・・・う~ん、「過ごしやすい温度」と「圧迫感のない空間」と「使いやすい設備」と・・・う~ん。」

私:「まだまだたくさんありますよ。例えば、「キレイな空気」も必要ですよね。」

初音さん:「確かに!室内の空気が汚れていたら快適な暮らしなんてできないわ。でも、お部屋の空気ってなんだかんだ言って勝手に入れ替わっているイメージがあるんですが。」

私:「確かに気密性の低い、隙間風の多い住宅に住んでいると、常に必要以上に空気が入れ替わりますので、つい、換気の重要性が忘れがちになってしまいます。しかしながら、快適な暮らしを手にする為には、計画的な換気が欠かせないんです。」

 

現在の住宅では、24時間換気が可能な換気設備の設置が義務付けられております。1990年代に、住宅に使用する「建材」や「家具」などから発散する「ホルムアルデヒト」や「クロルピリホス」などの有害物質を起因とした、「シックハウス症候群」が社会問題となりました。有害物質の過剰摂取が原因で、「倦怠感」「頭痛」「めまい」「のどの痛み」「呼吸器疾患」など、様々な体調不良が引き起こされたのです。その後、「シックハウス症候群」対策として、2003年の建築基準法の改定により、住宅に使われる建材などの材料に含まれる有害物質の含有量を規制する事になり、それに併せて、住宅への24時間換気の設置が義務付けられました。

その結果、現在では「シックハウス症候群」による健康被害はかなり減ったのですが、室内の空気に含まれる有害物質はそれだけではありません。住宅の様な密閉空間では、通常の生活をしているだけでも、「一酸化炭素」や「二酸化炭素」などの人体に有害な様々な物質が蓄積され、空気汚染が進行してしまいます。

このままの状況では、お世辞にも快適な環境とは言えません。この様な室内の有害物質の蓄積を防ぎ、日々の生活を快適に過ごす為にも、「室内の汚れた空気」と「外のキレイな空気」を入れ替える為に必要な、「計画的な換気計画が欠かせないんです。

初音さん:「正直言って今まで全く気にしていなかったんですが、想像以上に換気にも注意しなければいけないんですね。」

私:「以前よりは換気にも興味を持って頂いたみたいですが、では、より快適な住環境を手に入れる為にも、一般的な住宅で用いられる換気方法の「種類」や「特徴」についてお話していきますね。」

 

今回はここまでです。次回はこの続きをお話いたします。楽しみにしてて下さいね。

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住宅コラム:「換気するんだから気密性なんて意味がない!」って本当!?

こんにちは、あおば住建の山崎です。前回は3回にわたり、気密性についてお話をしました。今回は換気についてお話しますが、実は「気密性」と「換気」はただならぬ関係性があるんです。それでは、今回も会話形式で話を進めていきます。それでは始まり始まり。

初音さん:「先日、マイホームセンターに行ってきたんですが、住宅会社の営業の人に気密性について聞いてみたら、「今の住宅は24時間換気が義務付けられているので、気密性にそんなにこだわらなく手も大丈夫ですよ」と言われたんですが本当ですか?」

私:「まさか、その返答で納得されたんですか?」

初音さん:「確かに言われてみれば、住宅は水槽と違って換気の為に給気口や排気口があるんだから、少しぐらい建物に隙間があってもいいような気がします。」

私:「それは、気密性能に自信のない住宅会社の常套句ですよ。もしくは、その担当の方が換気計画について、あまりわかっていないのかもしれません。」

初音さん:「エッ!それじゃぁ、やっぱり「温熱環境のいい家」にするには、気密性の高さも意識していかないとダメなんですね。」

私:「気密性能をUPさせる事はもちろん温熱環境のいい家には必要不可欠なんですが、実はそれだけではなく、換気にとってもイイ事があるんです。と言うよりも気密性能をUPしないと、「計画的に換気をしてもあまり意味がない」と言った方が正しいかもしれません。」

 

【換気計画の重要性】換気をしないと室内の空気は一体どうなるの?

住宅の様な密閉空間では、「人の呼吸によって排出される二酸化炭素」や「調理などで発生する一酸化炭素」「建材や家具の接着剤から放出されるホルムアルデヒド」など、様々な有害物質によって、刻々と室内の空気汚染が進行しています。

この様な状態をそのまま放っておくと・・・。

・炭酸ガス濃度の上昇による「酸素不足」や「一酸化炭素中毒」

・湿度UPによる「結露の発生」や「カビの増殖」

・様々なニオイが室内にこもる

・「喘息」や「アトピー」などのアレルギー症の発症

・シックハウス症候群の発症

・インフルエンザなどのウイルス感染の可能性UP

等々、いろいろな弊害が生じ、人体への多大な悪影響が考えられます。上記の様な弊害を防ぎ、快適な室内空間を保つためには、「室内の汚れた空気」と「外部の清浄な空気」を入れ替える為の「換気」が欠かせません。

初音さん:「でも、その住宅営業マンさんは、「現在の住宅は24時間換気が義務付けられているので、室内で石油ファンヒーターなどを使わない限り、定期的な換気は必要ないですよ。」とも、言っていたんですが・・・。」

私:「厳密に言うと、24時間換気はシックハウス症候群を防ぐために義務付けられた制度なのですが、一定量の換気が期待できるので、人為的な換気の必要性が少なくなったのは確かですね。しかし、24時間換気だけ行っていれば、「何の心配もない」というわけではありませんよ。」

初音さん:「エッ!そうなんですか。じゃぁ実際に室内で快適に過ごす為には、どのくらいの換気が必要なんですか?」

室内で快適に過ごす為に必要な換気量は?

2003年の建築基準法の改定により、24時間換気が義務付けられたのですが、それに合わせて1時間に必要な換気量についても「0.5回/h」と定められました。

これは、「住宅の居室にある空気を1時間で半分入れ替える」という意味を表しております。※非居室(廊下・トイレ・洗面所等)が換気経路になる際には、居室とみなして扱う必要があります。

「例題」 延床面積100㎡(約30坪) 天井の高さ2.5mとした時、必要となる換気量は?

A 広さ100㎡×天井高2.5m×換気量0.5(回)×1時間=1時間毎の必要換気量125(㎥)となりますので、この場合、最低でも1時間毎に125(㎥)以上の空気を入れ替える能力のある換気システムを設置する事が必要となってきます。

初音さん:「あの~。125(㎥)と言われても全然ピンと来ないんですけど、125(㎥)以上空気が入れ替われば快適に過ごす事が出来るという事ですか?」

私:「おっ!いいところに気付きましたね。実際に快適に過ごす為には、必要換気量は「滞在人数」や「過ごし方」によって変わってきます。一般的な例を紹介しますね。」

人が室内で平常に過ごしている際に必要な換気量は、「成人一人当たり30㎥/h(炭酸ガス濃度を基準とした場合)」と言われます。※喫煙者がいる場合は、40~50㎥/h(浮遊粉塵が増加する為)つまり、先程の例の場合、1時間毎に必要な最低換気量が125㎥でしたので、1時間毎の必要換気量125㎥÷成人1人あたりに必要な換気量30(㎥/h)≒4.16(人)となります。つまり、この広さの住宅の場合は、平常状態で過ごす成人が4人までなら、快適に過ごせるという事になります。

初音さん:「なるほど!そう考えればイイんだ。じゃぁ、24時間換気の能力以上に換気が必要な時は、定期的に換気量を増やせばいいのね。」

私:「そういう事になります。建物の確認申請時には換気計算も義務付けられていますので、普通の住宅会社なら、「換気量不足」「換気量過多」の24時間換気システムを取り付ける事はないと思います。しかしながら、「燃焼系機器の使用」や「調理」等に影響されて、室内の空気の状態が変化するという事も忘れないでくださいね。」

私:「ここで注意して頂きたいのは、今お話した事は、「24時間換気が計画通りに正しく行われている場合」に限っての話なんです。

初音さん:「エッ!24時間換気にさえ気を付けておけばいいんじゃないんですか。」

私:「最初の頃に、「気密性能をUPしないと、『計画的に換気をしても、あまり意味がない』と言った方が正しいかもしれません。」とお話をしたのを覚えてますか?実はそうお伝えした本当の意味はココにあるんです。」

切っても切れない「気密性能」と「換気」の関係性とは?

換気を行う目的は、「入口(給気口)から清浄な空気を流入させ、「出口(排気口)」から汚れた空気を排出し、「室内全体の空気を正常に保つこと」です。しかし、上図の様に、建物の隙間があり過ぎては、「計画的に室内全体の空気を正常に保つ事」ができません。

もう少し分かりやすく言うと、一般的な換気計算は、建物の隙間からの空気の「流入」「流出」を考慮せず、つまり完全な密閉状態での空気の流れを想定して換気計画を行っているので、上図の右側の様に、建物が隙間だらけでは、換気計画で予定していた通りに空気が流れないので、「室内全体の空気を正常に保つ事」ができないんです。

初音さん:「それじゃぁ、気密性が低い建物だったら、24時間換気をする意味がないじゃないですか。「換気計画の給気口」と「建物の隙間」って全然違いますよね。」

私:「その通り、計画的な換気を行う為に「給気口」は不可欠ですが、「建物の隙間」は計画的な換気の邪魔をしてしまいます。なので、隙間の多い建物は、本当の意味で、「温熱環境の良い家」とはいえず、「快適からほど遠い家」になってしまうんです。」

初音さん:「それじゃぁ、住宅営業マンが言ってた「今の住宅は24時間換気の給気口があるので、気密性能をUPしてもあまり意味がない。」って説明は一体何だったんですか!むしろ住宅営業マンの説明と全く逆じゃないですか。計画的な換気をする為には気密性能のUPが欠かせないという事ですよね。」

私:「まぁそう怒らないでください。今回対応してくれた住宅営業マンは、自社の気密性能が低い事を誤魔化したかったのか、気密の事や換気計画について理解していなかったのかは分かりませんが、何度も繰り返しになってしまいますが、室内で快適に過ごす為の必要条件として「清浄な空気の入り口(給気口)」は不可欠でも、「建物の隙間」は不要という事、というより不要だけなら未だしも、「建物の隙間」は計画的な換気の邪魔をしてしまうんです。」

初音さん:「たかが換気と甘く見てはいけないんですね。ちゃんと理解しておかないと大変な事になるんですね。」

私:「その通りです。これからも家づくりの疑問にはドンドンお答えしていきますので、少しづつ一緒に学んでいきましょう。」

今回はここまでになります。次回も楽しみにしてて下さい。

 

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住宅コラム:【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その③

前回、【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その②をお話させて頂きました。今回は、その続きです。【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!!を3回にわたってお話してきましたが、今回が完結編です。それでは、始まり始まり。

「温熱環境のいい家」を見極める簡単な方法 

少し、これまでのおさらいをさせて頂きますが、「真の温熱環境のいい家」というのは、「住宅の隙間から入る外気の影響」や「住宅の隙間から出ていく快適な空気」を補うほどの「冷暖房設備が強化」された家ではありません。

「気密性能が高い(C値が小さい)」という事を前提に、「外気の流入による影響を受けにくい」や「室内の快適な空気が放出されにくい」といった条件を満たした上で、「断熱性能の高い(UA値が小さい)」建材を採用し、「外気との温度差の影響を受けにくい」や「快適な温度になった空気を保ちやすい」といった能力が高く、「省エネ性能の高い」住宅こそが、「真の温熱環境のいい家」と言えるんです。

ですから、マイホームを「偽り」や「誤魔化し」のない、「真の温熱環境のいい家」にしたいのであれば、マイホームを建てる候補にする住宅会社の営業マンに、「C値(隙間相当面積)」や「UA値(外皮平均熱貫流率)」に対しての「知識」や「見解」を聞いてみて下さい。

決して話をはぐらかす事なく、真摯にお答えする、実際に建てた建物の「C値」や「UA値」の優秀な住宅会社だけをふるいにかけて下さい。そうする事で、本当の意味での「温熱環境のいい家」を手に入れる事ができると思います。

住宅営業マンの中には、気密性を高くすると「息苦しくなる」や「二酸化炭素などの不純物が排出できない」などと言う人がいるかもしれません。一見すると、そうだよね。と思ってしまうかもしれませんが、そんなバカな事はありません。現在の住宅では、「24時間換気」が義務付けられているため、C値が0で全く隙間が無かったとしても、2時間に1度は居室の空気を入れ替えるだけの換気機能が備わっております。

その他にも、住宅の気密性能の説明はしないくせに、24時間換気に「性能の高いフィルターを使っているから「花粉症」や「PM2.5」などの心配はありません。」なんて説得しようとする住宅営業マンの話も信用できません。と言うのも、いくら「性能の高いフィルター」を使っていても、「気密性が低い(C値が大きい)」建物だったら、フィルターから「花粉」や「PM2.5」が入ってこなくても、建物の隙間から「花粉」や「PM2.5」が入り放題のハズです。この様に、自社に「都合の悪い事実を説明しない」や「都合のいいようにはぐらかす」といった、「住宅会社」や「住宅営業マン」が多いというのが悲しい現実です。

「一生に一度かもしれない家づくり」なのですから、「失敗」や「後悔」しないように、自分達家族にとって、本当に必要な「機能」や「条件」は何かを取捨選択し、しっかりとした「情報収集」や「事実確認」を行ってください。そうすれば、「温熱環境のいい家」だけでなく、本当に自分達家族が望んだマイホームを手に入れる事が出来ると思います。

初音さん:「今回は非常に内容の濃い話でした。でも、おかげさまで、「温熱環境のいい家」がどんなものか分かりました。」

私:「それは良かったです。大変かもしれませんが、理想のマイホームを手に入れる為にも意識してみて下さいね!」

今回で、長きにわたった【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! のお話は終わりです。次回は「換気をするんだから気密性能UPなんて意味がない!って本当!?」です。楽しみにしてて下さい。

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住宅コラム:【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その②

前回お話しをさせて頂きました【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その①の続きです。

住宅業界のタブー!?住宅会社がC値についてあまり説明をしない理由

断熱性能を表す指標として「UA値」があるのですが、この住宅のUA値は、「外気に接する部分に使われる建材のU値(熱貫流率)」と「建物の大きさ・形状(外気に接する総面積)」が分かれば、事前に算出する事が出来ます。これを外皮計算と言いますが、慣れた建築士なら1~2時間程度で概算のUA値を出すことが出来ると思いますし、逆に「有料になります。」等と言って計算を渋る様でしたら、自社の建物のUA値に自信がないか、算出の仕方を知らない可能性が高いので、住宅会社を選ぶ時の目安にもなります。

このUA値ですが、マイホームの計画段階で算出出来るので、他社に比べて自社の建物の優位性をアピールしやすく、お客様も比較対象にしやすいので、住宅会社にとってお誂え向きな指標とされています。なので、住宅会社はこぞって自社の建物の断熱性能を高める事で、例えば性能の高いマイホームが欲しいお客様に自社の商品を選んでもらう為に、アピールしてくる傾向にあります。

もちろん、「断熱性能」や「省エネ性能」を高める為に「気密性UP」は必要不可欠という事はどの住宅会社も承知している事だと思いますが・・・。
しかしながら、多くの住宅会社では、断熱の話はしても、気密についての話はほとんどしません。せいぜい話があったとしても、「弊社の建物はC=○○で高気密の建物です・・・。」ぐらいではないでしょうか。では、何故、気密について詳しく説明をしないのでしょうか?
色々要因はあると思いますが、一番の理由は、「気密性能UP」を図る為には、現場の「施工精度UP」が必要不可欠だからです。と言うのも、断熱性能を表すUA値は事前に計算で数値を求めることは出来ますが、気密性能を表すC値は、実際の現場にて気密測定を行わないと得られません。万が一、気密測定の結果C値が悪ければ、それは、施工精度が悪い事にも直結しますし、そうであれば工事のやり直しにも繋がります。
気密性の高い住宅を建てる為には、そこに携わる職人さんの「施工の丁寧さ」や「いい家を建てようという想い」が絶対条件となりますし、また、現場を仕切る現場監督の力量も大きく影響します。

しかし残念ながら「注文を受けた住宅を下請けに丸投げする住宅会社」や「技術力の低い住宅会社」では、気密性の高い住宅を建てる事は難しいですし、工事請負契約書でC値を保証するリスクも負いたくありません。
ですから、多くの住宅会社で気密性能の重要性をアピールしたがらないし、契約を取らないと給料が貰えない住宅営業マンはC値をキチンと説明したがらないんです。

これがC値が「住宅業界のブラックボックス」と呼ばれる所以です。

初音さん:「それじゃぁ、私達には気密性が高い「温熱環境のいい家」を手に入れる事はできないんですか?」

私:「ちょっと、慌てないでください。もちろん「温熱環境のいい家」に高い気密性が欠かせないことは分かっているので、「気密性能UP」に力を入れている住宅会社がないわけではありませんし、近年増加傾向にあります。」

初音さん:「そうは言っても、住宅の気密性能をUPする為には、職人さんの「施工精度」が必要不可欠なんですよね。それじゃぁ、建物自体の価格も凄く高くなって、それこそ私達では、簡単に建てられないんじゃ・・・。」

私:「そんな事は決してありません。確かに、住宅の気密性能をUPする為には、「建材と建材の接合部に気密テープの施工」等が必要なので、多少なりとも「費用」や「建設期間」は余分に生じますが、一番大事な事は、「施工の丁寧さ」や「いい家を建てようとする想い」ですから、住宅会社選びに失敗しなければ、手に入らないわけではないんです。」

初音さん:「本当ですか~!それじゃぁ、実際に気密性が高くて「断熱性能」や「省エネ性能」の高い「温熱環境のいい家」手に入れる為には、どんなことに気を付けたらいいんですか?」

今回はここまでです。次回、この続きをお話しします。【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!!も次回いよいよ完結編です。楽しみにしてて下さい。

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住宅コラム:【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その①

「温熱環境の良い家」を見極める為には、断熱性能を表す「UA値」は重要な指標ですが、本当に手に入れようと思ったらこれだけでは手に入りません。
ところで、突然ですが皆様は「C値(相当隙間面積)」という建築用語をご存知でしょうか?
これから家づくりを始める方はもちろんの事、今現在、一生懸命家づくりを頑張っている方でもあまり聞き慣れない言葉かもしれません。また、住宅業界に携わっている方でも、キチンと「C値」を説明できる人は少ないのではないでしょうか。
しかし、そんな「C値」ですが、建物の気密性を表す重要な指標である事はもちろんの事、「温熱環境の良い家」を見極める為に必要不可欠なんです・・・。

C値とは?

C値とは、簡単に言えば、建物にどれだけ隙間があるかを表したものです。一般的に、数値が小さい程建物の隙間は小さい事を表し、「気密性が高い」と呼びます。
いきなり建物の気密性と言われてもピンとこないと思いますので、「住宅を水槽に例えて」説明していきたいと思います。

【ここからは、会話形式で説明していきます。出演は家づくりが初めての初音さんとコラム主の私です】
※皆様も金魚になったつもりでイメージしてみて下さい。

ケース1:穴が開いていて中の水が漏れている水槽の環境は?

初音さん:これじゃぁ水が無くなって住めません。

:そうですね。でも、この「穴が開いて中の水が漏れてしまう水槽」というのが、一般的に建てられている住宅なんです。つまり、「水槽の穴」⇒「住宅の隙間」「水槽の水」⇒「快適で過ごしやすい温度の空気」という事なんです。

初音さん:「水槽の穴」⇒「住宅の隙間」「水槽の水」⇒「快適で過ごしやすい温度の空気」って事は・・・つまり・・・そっか!!隙間が少ない住宅が、気密性が高く快適で過ごしやすい住宅って事なんですね。

:その通り。住宅の気密性をUPすると、「快適で過ごしやすい空気」が逃げにくく断熱性能を高める事で「温熱環境の良い家」になるんです。

初音さん:そっかー「温熱環境の良い家」を手に入れる為には「気密性能」は欠かせないんですね。じゃぁ気密性が低い住宅ではどうしたら快適に過ごせるの?

:それは、これまで多くの住宅会社が推奨してきた住宅の事なんですが・・・。先程と同様に「水槽に住む金魚」で例えますね。

ケース2:中の水が漏れている水槽に蛇口から水を足している環境は?

:上のイラストの様に、外に漏れてしまう水「快適な温度の空気」以上の量の水を蛇口「エアコン等の冷暖房機」から補填しているのが、残念ながら大多数の「温熱環境の良い家」の実情です。つまり、じゃんじゃん水「快適な温度の空気」を追加している事に気付かず、「温熱環境の良い家」と感じているだけなんです。「温熱環境の良い家」と言われている現在の住宅でも気密性が低ければ、実際には「穴が開いていて中の水が漏れてしまう水槽」に住んでいるのと変わらないのです。

初音さん:でも断熱性能が高ければ「温熱環境の良い家」になるんですよね。

:確かに「エアコンなどの冷暖房機(水)」をガンガン追加すれば「室内(水槽)」は快適に保てますが、省エネとは程遠く、光熱費はかさみますし、お世辞にも環境に配慮しているとは言えません。そもそも、断熱性能を高める目的は「外気の影響を受けにくくする為」ですよね。建物の気密性が悪ければ、その隙間からどんどん外気が入ってきてしまうんです。

初音さん:そっか!確かに隙間だらけの住宅だったら、外の空気が入ってきますよね。それじゃ、断熱性能だけを高めても意味がないじゃないですか。

:その通り!本当の「温熱環境の良い家」を手に入れる為には「断熱性能を高める」事はもちろん大事な事ですが、「気密性を高める」事を意識しなかったり、忘れてしまうと、せっかくの断熱性能も半減してしまう事は言うまでもありません。

初音さん:じゃぁ、本当に「温熱環境の良い家」を手に入れる為にはどうしたらいいんですか?

:では、これまでと同様に「水槽に住む金魚」で例えてみましょう。

中の水が漏れない穴の開いていない水槽の環境は?

初音さん:水槽に穴が開いていないから、水も漏れないし快適そうね。

:確かにそうですね。何か特別な事をしたわけではなく、ただ、単純に水槽の穴を埋めただけなんです。

初音さん:ホントですねー。じゃぁ住宅も隙間を埋めて気密性を高めたら「温熱環境の良い家」になるという事ですね。

:そういう事です。「温熱環境の良い家」を手に入れるには、まず、「気密性を高める」事がとても大切なんです。その上で、断熱性能をUPすれば、外気の影響をより一層受けにくくなりますし、エアコン等の冷暖房機の使用を抑えることが出来ますので「省エネ性能UP」にも繋がり、光熱費を抑えて環境にもやさしくなるんです。

初音さん:「断熱性能UP」も大事だけど、その前に「気密性能UP」をする事が大切なんですね。

初音さん:ちょっとまって、それじゃ何で住宅会社さんは断熱の事は話をするけど気密に関しては説明してくれないの?気密性能が大切な事は、住宅会社さんも承知している事でしょう。

:確かにそうですね。それでは次にタイトルにある様に、C値について「住宅業界のブラックボックス」といった理由をお話しします。

※この続きは、【住宅業界のブラックボックス!?】建物の気密性能を表すC値の真実!! その②にてお話しします。

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住宅コラム:断熱性能を表す指標、Q値・UA値について②

前回は、「建物の「断熱性能」や「省エネ性能」を示す指標として、現在はUA値が使われています。」という所までお話ししました。今回はその続きです。前回と同様、会話形式で話を進めていきます。それでは

建物に使用される材料の断熱性能の比較

※以下ご紹介するのは、右に行くほど断熱性能が高くなります。

構造材:鉄⇒木⇒コンクリート   

断熱材:グラスウール⇒セルロースファイバー⇒ロックウール⇒ポリスチレンフォーム⇒ウレタンフォーム

サッシ:アルミ⇒アルミ樹脂複合⇒樹脂

ガラス単体ガラス⇒ペアガラス⇒トリプルガラス

これらを参考に、例えば木造の建物でしたら、「断熱材にウレタンフォーム・トリプルサッシの樹脂サッシ」を取り入れますと最も高い断熱性能が得られ、逆に「断熱材にグラスウール・単体ガラスのアルミサッシ」を取り入れますと最も低い断熱性能となる事がわかります。

しかしながら、同じ材種であっても「メーカー」や「商品」によって断熱性能は変わりますので、マイホームの断熱性能や省エネ性能にこだわるのでしたら「樹脂サッシは断熱性能が高い」と覚えるのではなく、その商品のU値の数値に注目してあげると、より性能の高い建材を見つける事が出来ると思います。

U値とは:熱貫流率の事を示す指標で、温度差のある空間を隔てる物体の熱の伝えやすさを表す数値。数値が小さい程、熱を伝えにくく断熱性能が高いとされています。】

初音さん:でも、断熱性能が高い材料って高価ですよね?お家に採用したいけど予算には限界があるし・・・。

:確かにおっしゃる通りで、断熱性能の高い建材や最新の断熱構造は高価になりますが、必ずしもすべての建材を最高級にするのではなく、コストパフォーマンスに優れたU値の高い建材を優先的に取り入れていけば、予算内で温熱環境の良い家を手に入れる事は決して難しい事ではないと思います。
それに、建物に使う建材や建物の大きさ・形状が分かれば事前に計算してUA値を出す事も出来ますので。

初音さん:えっ!そうなんですか?てっきり建物が完成しないと断熱性能は分からないと思っていました。

:そんな事はありませんよ。建物の形状にもよりますが、外皮計算(UAの算出)に慣れた建築士であれば1~2時間程度で概算のUA値が出せると思いますし、逆に「高気密・高断熱の家」と全面的にアピールしておきながら、外皮計算を「有料になります。」等と言って渋ったりするようなら、自社の建物のUA値に自信がないか、算出方法を知らない可能性が高いか、もしくは自社の建物を売る事しか頭にないかだと思いますので、住宅会社選びの参考にしてもいいかもしれませんね。

【地域別】温熱環境の良い家のUA値の目安

以前、次世代省エネ基準と呼ばれていた「平成11年省エネ基準」では、「Q値を基にして、住む場所による温度差の大きい日本を6つに地域区分して基準を設けたのですが、平成25年から「Q値の曖昧さ」や「住まいの温熱環境への関心度の上昇」もあって、「UA値を基にして日本を8つに地域区分」した「平成25年省エネ基準」に変更されました。
また、本来であれば2020年に「平成25年省エネ基準」が義務化される(守らないと家が建てられない)事が決定していたのですが、2023年に延期が決定されましたが、しかし、義務化される事は間違いありません。
余談になりますが、税制面で多岐にわたり優遇される「長期優良住宅」を取得する為には「平成25年の省エネ基準」をクリアしないといけなくなりましたので、「長期優良住宅に適合する建物を建てられる住宅会社」であれば、いつ義務化されてもクリアできる技術を持っている事になりますし、既に完成した住宅でも、平成25年10月1日以降に長期優良住宅の認定を取得した建物であれば、「平成25年省エネ基準」をクリアしている事になりますので目安にしてみて下さい。

初音さん:だから・・・。結局何を目安にした良いんですか?

:申し訳ございません。少し話が逸れてしまいました。基本的には、ご自身がお建てになられる地域の地域区分を割り出し、その地域区分に示されているUA値より数値が小さければ「平成25年省エネ基準」をクリアしている事になります。

:しかし、私個人の意見としては、最低でも実際の地域区分よりも2つ上のUA値を目指して欲しいと思います。例えば、ここ静岡は6地域になりますのでUA値は0.87以下であればクリアですが、温熱環境の良い家を手に入れたいのであれば、2つ上の地域区分、4地域のUA値0.75を最低基準の目安にする事をおススメします。
出来れば、せっかくお建てになられるのですから最高レベルの北海道基準UA=0.46を目指したいものです。

初音さん:分かりました!!私の建てたい地域は6地域に該当するから、その2つ上の4地域のUA値0.75を最低基準にして、これよりも数値が小さい住宅を建てている住宅会社を選べばいいのね。

;あの~お喜びの所大変申し訳ございませんが・・・。建物の温熱環境の良し悪しは厳密には「UA値」だけでは計れないのです。実は、「C値(隙間相当面積)」と呼ばれる気密性能によっても、建物の温熱環境の良し悪しは変わるんです。

初音さん:エ~ッ!!まだ何かあるんですか?・・・。

今回はここまでです。この続きは次回でお話しします。お楽しみに!!

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住宅コラム:断熱性能を表す指標、Q値・UA値について①

家づくりをお考えの皆様にとって、「夏涼しく、冬暖かい家」に興味はない。と言う方は少ないのではないでしょうか。

今から20年以上前には、そもそも手に入れたくても「夏涼しく、冬暖かい家」が無かったのが現状でした。ですが、建築技術の進んだ現在では、「夏涼しく、冬暖かい家」を手に入れる事はそれほど難しい事ではありません。

しかしながら、築0年~10年くらいの比較的新しいマイホームに住まわれている方でも、「温熱環境」や「温熱環境の良い家」に対しての認知度がまだまだ低かった事もあり、「知らなかった」「性能に関して重視していなかった」という理由で、せっかくのマイホームなのに「温熱環境の良い家にしなかった」と後悔や失敗と感じる方が後を絶たないのが実情です。

確かに「暖かさ」や「寒さ」と言った感覚は個人差も大きく、今の住宅業界で住み比べる事はおろか、試しに体感してみる事さえ難しいのが現状です。また、数値で示されても「何となく良さそう。」と思えるかもしれませんが、実際にはよくわからないというのが正直な所ではないでしょうか。その為でしょうか、多くの方がいくら温熱環境に力を入れたとしても、「自身の過去の経験」や「曖昧な一般論」だけで判断してしまい、その結果「こんなハズじゃぁ・・・」と「後悔」や「失敗」を感じているように思えます。
せっかくの「一生に一度かもしれない家づくり」なのですから誰もが住み始めてから後悔や失敗だと感じたくないはずです。

前置きが非常に長くなりましたが、ここでは、現在の住宅業界で温熱環境の指標とされているQ値・UA値と言った「断熱性能」の目安について話を進めていきます。

以下、会話形式で説明していきます。出演:家づくりが初めての初音さんとコラム主の私です】

Q値・UA値とは?

初音さん:でた~!!「Q値?」「UA値?」・・・建築用語って本当に難しいですよね~。以前どこかの住宅営業マンが言ってた気がするけど、結局何言っているのか分からなくて・・・。

:Q値やUA値は建物の断熱性能や省エネ性能を比較するのにいい指標なんですが、正直、とっつきにくいですよね。それに「どうやって計算する」よりも「どう比較するのか」の方が大切だと思いますので、これから「比べ方」や「目安」をお伝えしていきますね。

初音さん:そうなんです!計算方法なんてどうでもいいんです。私は「暮らしやすい快適なお家」の見極め方の方が大事なんです。

:・・・と言っても、概要ぐらいは知っておいた方が良いと思いますので簡単にご紹介します。

Q値とは: 建物の外壁や屋根(天井)、床などの各部位から逃げる熱量(熱損失)を延床面積で割ったもの。数値が小さい程断熱性能や省エネ性能が高い建物と言えます。】

UA値とは:建物の外壁や屋根(天井)、床などの各部位から逃げる熱量(熱損失)を外皮面積(外壁・屋根・床の面積の合計)で割ったもの。数値が小さい程断熱性能や省エネ性能が高い建物と言えます。】

初音さん:あれっ?何か似てません?要は床面積で割るか、外皮面積で割るかでしょ。

:いい所に気付きましたね。厳密にはちょっと違うのですが「Q値」も「UA値」も似ているところがあって、共通している事は、数値が小さい程「断熱性能」や「省エネ性能」が高く「温熱環境に配慮された家」と言えます。まずはここがポイント!になりますので、「Q値やUA値の数値が小さい程、断熱性能や省エネ性能が高い」と覚えておいて下さいね。

Q値・UA値の違いって何?

初音さん:何で「Q値」と「UA値」を使い分けるんですか?どっちも同じような意味ならわざわざ使い分けなくても・・・ややこしくなってしまいます。

:またまた、いい所に気付きましたね。初めは断熱性能や省エネ性能を示す指標として「Q値」が使われていたのですが、Q値を求める計算方法では、不公平さが出る事が確認され、不公平さを無くす為に、新たな断熱性能や省エネ性能を示す指標として「UA値」が使われるようになったんです。

上図を参考にして頂くと、Q値の計算では、熱損失量を延床面積で割る為、同じ床面積なら熱損失量が少ない「単純な形状の建物」や「外壁や屋根が小さい建物」の方がQ値が小さくなります。また、同じ形状なら、延床面積が大きい程Q値が小さくなってしまうのです。

この仕組みを知ってか知らずか、自社の建物のQ値を良く見せる為に、モデルケースを単純な形にして且つ、延床面積を大きくしている住宅会社が非常に多い(実際にカタログなどで示されている数値は、建物の大きさが40~45坪くらいが多いです。)のが実情です。これではQ値だけでは、建物の性能の目安にする事や比較する事も出来ません。

そこで登場したのが「外壁」や「屋根」の面積を足した「外皮面積」で算出されるUA値です。UA値を用いる事で建物形状が複雑になったり、延床面積が大きくなっても、数値のバラツキがなくなるので、住宅会社の都合で良く見せたり、悪く見せたりすることが出来ません。

こうした背景もあり平成25年に改正された省エネ基準では、Q値に変わり、UA値が建物の断熱性能や省エネ性能を示す指標として使われる様になりました。更に、これまで建てる場所の地域の温度差によって分けられていた「地域区分」も6から8へとより細かく分類される様になりました。(下図参照の事)

初音さん:という事は、Q値ではなく、UA値で比較しないと、建物の「大きさ」や「形状」によって建物の性能を誤魔化されるかもしれないって事ですね。

:その通り!それともう一つ注意してもらいたい事が、中には「UA値≒(0.37×Q値)-0.13という数式でQ値をUA値に変換できます」と、おっしゃる方がいますが、そもそも建物の形状や大きさに左右され不公平さが出るQ値を利用しているのですから、あまり参考になりません。

初音さん:家の断熱性能は「UA」値を目安にする事は分かりましたが、で、結局どのくらいの数値を基準にしたらいいんですか?

:了解しました。それでは「建物に使用される建材の断熱性能の比較」と「マイホームを建てる地域によるUA値の目安」を紹介していきます。

 

今回はここまでです。この続きは次回でお話しします。お楽しみに!!

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住宅コラム:住まいの「寒さ」が・・・。

住まいの「寒さ」健康と密接な関係にある!?

長く健康的に過ごす為には、食生活や運動面だけでなく、住まいの環境が重要だという事を知っている方はあまり多くありません。

暖かい居間と寒い廊下や洗面、あるいはお風呂との温度差により血圧の急変動が起こる事を「ヒートショック」と言います。このヒートショックが原因でなくられる方は、年間約1万7000人とも言われております。これは交通事故でなくられる方の実に4倍以上にも及んでおります。「入浴時の溺死」もヒートショックが原因と言われております。

この様な事故が起こる一番の要因は一体何なのでしょうか?多くの専門家が住まいの断熱性能の低さを指摘しております。つまり、断熱性能が高い家程、こうした事故を未然に防げるのです。

高断熱の家とは、室内と室外で熱の行き来が少ない家の事を言います。住宅の外部に接する壁・屋根・窓などから、熱が逃げにくくなりますので、冷暖房の効率も良く、省エネで夏涼しく冬暖かい快適な住環境が実現します。

快適な住環境を考える上で、断熱性だけでなく気密性についても是非考えて頂きたいと思います。残念ながら現行の省エネ基準には気密性に関する基準が設けられておりませんが、気密性とは隙間風がどれだけ入るのかという事、つまり気密性が悪いという事は少々暖房しただけでは熱はどんどん逃げていき、光熱費がかさむだけでなく、外部からの湿気も入り易く暖房器具を使用するだけで水蒸気が多く発生し結露の発生にも繋がります。この結露の発生が後にカビやダニの発生へと繋がっていくのです。

ですから、快適な住環境を手に入れる為には、断熱性能だけを重視するだけでなく、断熱性能と併せて気密性能についても重視して行く事が住まいの環境を考える上で大切になってきます。

健康に影響を及ぼす住宅の環境とは?

健康と住環境との関連性は、今なお様々な調査・研究が行われております。ここでは健康に影響を及ぼすと言われている住環境をいくつかご紹介致します。

・建材や家具による空気汚染
【化学物質によるシックハウス症候群】:アレルギー 食欲不振
・寒さによる影響①
【さむい室内】:風邪・肺炎・気管支炎・血圧上昇を助長
・寒さによる影響②
【温度差:ヒートショック】:急激な血圧変動による血管へのダメージ
・寒さによる影響③
【結露への影響:カビ・ダニによるシックハウス症候群】:アレルギーなど
・暑さによる影響
【暑い室内】:熱中症
・湿度による影響
【高湿度/低湿度】:熱中症/風邪・気管支炎
・建材の材質・色・ニオイなどの影響
【ストレス因子】:ストレス性の疾病など
・段差や手摺無しなどによる幼児や高齢者の怪我など

寒さが健康に及ぼす影響とは?

日本の3大死因は、ガン・脳卒中・心臓病ですが、これらの原因と言われている高血圧・高脂血症・糖尿病などの患者が近年増えております。

一般的に生活習慣を改善する事でこれらの疾病を予防する取り組みがなされていますが、一方で外部環境も疾病の発生要因になっているようです。この外部環境の一つとして「住宅の寒さ」が挙げられます。

室温の低下による影響

イギリスの住宅の健康・安全評価システム(HHSRS:Housing Health And Safety Rathing System/2006年施行のイギリス住宅法の一部で、基準ではなく、危険性の大きさの程度を示すもの)によると、例えば、室温が16℃以下では高齢者に関しては呼吸疾患や血管疾患などの大きな健康リスクがあるとしています。

また、10℃以下では、心臓発作・脳卒中などの心血管疾患による冬季の死亡率が50%上昇するとしています。年齢別に室温と血圧の関係を調べたところ、高齢者ほど室温低下によって血圧上昇を起こしやすい事が分かってきました。
血圧上昇は血管疾患の発症要因の一つですので、HHSRSの評価を裏付けていると言えます。

ヒートショックによる影響

断熱が貧弱だと、冬には室内から外へと熱が大量に逃げていく為、住宅内に温度差が発生しやすくなります。その結果、常に人がおらず暖房していない部屋(起床時の居間、冬のトイレ、浴室など)や廊下の室温はとても低くなります。

大きな温度差のある部屋を行き来すれば、血圧の急変動が起こります。これが「ヒートショック」です。いわゆる「入浴死」もヒートショックによる血圧変動が影響していると言われており、年間で1万人を超える方が亡くなっています。また、亡くならないまでも、脳血管疾患等による後遺症で介護が必要となるケースがあります。

断熱性能だけじゃない!気密性能も大事なんです!!

気密性というのは、簡単に言ってしまえば住宅にどれだけ隙間があるのかを表しており、気密性が良ければ良いほど隙間が少ないと言えます。
以前の省エネ基準にはこの気密性に関しての基準がありましたが、現行の平成25年改正省エネ基準では、この基準が削除されました。しかし、だからと言って、気密性を無視してもいいというわけではありません。
健やかな生活・快適な生活を求める上で、断熱性能と同じくらい気密性も大事な事なのです。
仮に、断熱性能が良くても、気密性能が悪ければそれだけ建物に隙間が多いわけですから、少々暖房したところで熱が隙間からどんどん逃げていき、光熱費がかさんでいくだけでなく、外の湿気も室内に入り易く、暖房器具を使用すれば水蒸気を多く発生させる事になり、結果、結露の発生に繋がっていきます。そしてこの結露はカビやダニの発生へと繋がっていくのです。最終的には住む方への健康被害へと繋がるのです。
ですから、単に断熱性能を上げれば良いというわけではなく、気密性に関しても重視して行く必要性があります。

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住宅コラム:マイホームの満足度を高めるには?

こんにちは、あおば住建の山崎です。

突然ですが、皆様がもし、「あなたは住まいに何を求めますか?」と聞かれたら、どうお答えしますか?答えは一つとは限らないと思います。

人の「価値観」や「感じ方」は、これまでに暮らしてきた「環境」や「経験」に大きく影響されるので、人によって様々な答えがあるハズです。他に影響される事なく、ご自身が何に「価値」を感じるかをしっかりと把握しておく事で「高い満足度」を得る事が出来るのですが・・・、「一生に一度の一大イベント」と言われる家づくりでは、初めてな事だらけで新しい家に暮らし始めてから気付く「失敗」や「後悔」も決して少なくありません。

今回のお話は、温熱環境についてです。これは、住み始めてから気付きやすく、その反面気付いた時には、「後悔」しても改善するのに困難なものです。それでは、始まります。

 

温熱環境が悪いと起こりうる弊害

温熱環境が劣る事で生じる弊害の一つである、「使いづらい部屋」「使いたくないと感じる部屋」とはどんなものでしょうか?

上のグラフを見てみると、夏場は「寝室」や「居間・食堂」など、「比較的、長時間過ごす部屋」に対しての不満が多く、一方冬場では、「洗面室」や「浴室」「トイレ」など、「短時間だけ利用する部屋」に対する不満が多い事がわかります。

この様に、家づくりをする際に、例えば「快適なリビング」や「開放的な吹抜け」などの間取りやデザインだけに気を取られたり、「浴室」や「洗面所」「トイレ」などでは、設備のグレードだけに気を取られていると、一年を通して高い満足度が得られるマイホームを手に入れる事は困難になってしまいます。

また、昨今、高齢化社会が加速している中、「洗面室」や「浴室」でのヒートショック(温度差による急激な血圧変化)による死亡事故が問題視されております。東京都健康長寿医療センター研究所の発表によると、平成27年度の交通事故による死亡者数の実に4倍以上の方がヒートショックでお亡くなりになっている事がわかっており、ご家族様の命を守る為には、「洗面室」や「浴室」等の温熱環境の改善にも配慮を忘れずに、また、一年を通して「高い満足度」を得る為に、温熱環境にも力を入れた家づくりを考えるべきだと思います。

温熱環境を充実させることで得られる効果とは?

上記グラフを見てみると、全体の68%の人が、温熱環境が良くなると「気持ちや身体に良い影響がある」と答えており、中でも女性の約70%が温熱環境が良くなると「行動量が増える」と答えています。

家庭での家事を担う事が多い女性の行動量が増えれば、新たに手に入れたマイホームでの生活に華やかさが加わり、温熱環境の改善によって薄着で過ごせると、「開放感UP」や「スキンシップの向上」に効果があり、夫婦円満にもつながる事でしょう。

 

温熱環境の良い住まいに出来ない理由とは?

住まいに対して不満を減らし、夫婦円満にも一役買ってくれる「温熱環境のいい家」ですが、実際に満足のいく家を手に入れた方は少数のようです。では、その理由とはどんなものがあるのか、建物の築年数別に見てみましょう。

上記グラフより、築21年以上経っている住まいでは、全体の半数以上が「温熱環境の良い家が、そもそもなかった。」と答えており、その当時は温熱環境の良い家を手に入れること自体が困難であったと思われます。

しかしながら、「築11年~20年」「築0年~10年」と現在に近づくにつれて、「当時は、温熱環境の良い家がなかった。」という意見が減っている事でも、建築技術の進歩により、今では温熱環境の良い家を手に入れる事はそう難しくありません。
ですが、残念な事に「築0年~10年」の建物に住む人達でも、「温熱環境」及び「温熱環境の良い家」について「知らなかった。」「重視していなかった。」という理由で、「温熱環境の良い家を購入する事が出来なかった」と感じており、「住まいの温熱環境に対する認知度」はまだまだの様です。

温熱環境の良否を見極める為に知っておきたい事とは?

「温熱環境の良い家」を手に入れる為のポイントとして、一体どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?その疑問に対する答えとして、「ご自身の判断基準を持つ」事が大切だと、私は思います。

例えば、いくら住宅会社の営業マンに「我社の家は断熱性能が優れていて、とても暮らしやすいですよ。」などと言われても、基準が無ければ「何をどう比較していいものか、どの程度優れているのか」を理解する事はできません。そこで、知っておいて頂きたいのが、温熱環境に関する用語です。代表的なのは、「Q値(熱損失係数)」「C値(隙間相当面積)」「UA値(外皮平均熱貫流率)」などの用語なのですが、簡単に言ってしまえば、それぞれが持つ数値は、建物の温熱環境に関する性能を表しており、「数値が小さいほど、温熱環境に優れている」という事を示しております。

これらの数値が小さい家が温熱環境の良い家であるのは間違いないのですが、ここが少しややこしい話になるのですが、温度に対する感じ方は人それぞれ違いますし個人差が大きいものです。また、これまでに暮らしてきた家の温熱環境によっても大きく変わります。

例えば鉄筋コンクリートのマンションなどの建物は「Q値」「C値」「UA値」の数値が低く、温熱環境に優れています。しかし、一方で「木造」や「鉄骨造」の建物(一般的な戸建住宅)はそれぞれの数値が高く、お世辞にも温熱環境が良いとは言えません。

ですから、今まで、鉄筋コンクリートのマンションなどの建物に住んでいた方が、一般的な木造や鉄骨造の戸建住宅に住み始めると、「温熱環境の満足度」は下がりやすい傾向にあり、逆に、一般的な木造や鉄骨造の戸建住宅に住んでいた方が、鉄筋コンクリートのマンションなどの建物に住み始めると、「温熱環境の満足度」がUPする事がほとんどです。とは言え、実際にいざ、マイホームを購入するとなっても、購入する前に実際に住んでみて体感する事なんてほとんどできません。

だからと言って、家づくりの満足度に直結しやすい温熱環境を「一生に一度の大イベントである家づくり」で、おざなりにしていいはずがありません。ですから、「現在家づくりを計画されている方」や「これから家づくりをお考えの方」は、必ず、温熱環境に対する配慮も忘れずに家づくりをされる事をおススメ致します。

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