日別アーカイブ: 2019年12月8日

【本当に地震に強い家?】「耐震等級○相当」に注意!①

阪神淡路大震災以降、予見できない大地震に備えて、マイホームの耐震性に注目する方が増えております。特にここ静岡では、いずれ来ると言われています南海トラフ地震に大きな関心を持たれているのではないでしょうか。愛するご家族様を守る為、財産を守る為、「地震に強い家が欲しい!」と考えるのは至極当然の事だと思います。

熊本の震災・大阪北部の地震・北海道胆振東部の地震等々、これまで震度6以上の地震は100年に一度と言われておりましたが、近年では5~10年に一度起きております。ですから、建物の耐震性にも注目しておくべきだと思います。

しかし、建物の耐震性能に関する正しい知識を持っていないと、「地震に強い家のハズが、実際は違っていた・・・。」なんて事になりかねません。と言うのも、何の根拠もない曖昧な「耐震等級〇相当」と言った説明で、高い耐震性が証明された建物と同等の様にセールストークを行う住宅営業マンが少なくありません。また、耐震性能を得意とする住宅会社であっても、建物の「構造」や「間取り」「形状」によっては、耐震性能を向上させることが出来ない場合もあります。

それでは、一体何を基準にし、どのように家づくりを進めれば「本当に地震に強い家」が手に入るのでしょうか?

ここでは、住宅の耐震性能を示す指標の一つである「耐震等級」について解説しながら、「耐震等級をアップするメリット・デメリット」「耐震等級〇相当の注意点」について話をしていきます。【以下、会話形式で説明していきます。出演:家づくりが初めての初音さんとコラム主の私です】

耐震等級で何が分かるの?

初音さん:住宅会社のカタログなんか見ると「耐震等級」って言葉をよく見るけど、何となく建物の耐震性を表している事は分かるんだけど、基準とかがよく分からなくて・・・。どう選べばいいのでしょうか。

:「耐震等級」とは、住宅性能表示制度の導入に伴い用いられることになった、建物の耐震性を示す指標です。1~3の数値で表され、数字が大きくなるほど耐震性が高い事を表しています。

初音さん:なるほど!「耐震等級1より耐震等級3の方が地震に強い家」って事ですね。じゃあ、耐震性能が最も低い耐震等級1だと、どのくらいの強さなんですか?

:「ご自身のマイホームがどの程度の地震に耐えられるか」気になりますよね。では、「耐震等級の基準」について説明していきましょう。

耐震等級1の耐震性ってどのくらい?

「耐震等級」とは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく、「住宅性能表示制度」で定められた、地震に対する建物の構造躯体の損傷・倒壊・崩壊等のしにくさを表した指標です。
この住宅性能表示制度では、現在の建築基準法で定める耐震性をクリアした建物を「耐震等級1」と表しています。

1981年の建築基準法の改正に伴い、国民の生命や財産を守るために、「新耐震基準法」が施行されました。その際に、「建物の耐震性の制定基準」として、次のような耐震性能が義務付けられました。

1.稀(数十年に一度程度)に発生する震度5強程度の地震に対して、構造躯体にほとんど損傷を生じるおそれがない

2.極めて稀(数百年に一度程度)に発生する震度6強から7程度の地震に対して構造躯体が倒壊・崩壊するおそれがない

新築する場合には、建築基準法の厳守が義務付けられておりますので、少なくとも、1981年以降に新築された建物は、「耐震等級1以上」といえます。

初音さん:な~んだ!ようするに建築基準法をクリアしていれば大きな地震が来ても安心という事なのね。

:あの、もしかして、勘違いされているかもしれませんが、耐震等級1は「震度6強から7程度の地震に対して構造躯体が倒壊・崩壊するおそれがない」程度を示すので、地震の後にそのまま住めるかどうかは別問題なんです。
あくまで「大地震の際に避難する猶予がある」ぐらいに考えておいた方が宜しいかと思います。

初音さん:え~っ!てっきり耐震等級1で問題ないかと思いました。それじゃぁ、家族の安全はもちろんだけど、地震の後の生活を考えたら耐震等級2か3の方がいいってことですか?

:建築基準法は日本で建てる建物の最低基準を定めたものなので、あくまで個人的な意見ですが耐震等級3にすべきだと思います。
それでは、次に耐震等級2・3についてお話をします。

耐震等級の数値が大きくなるほど耐震性能は向上するのですが、これは耐震等級1を基準に表されております。

耐震等級2・・・耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つ。病院や学校などの災害時の避難場所としても利用される建物の耐震性能が該当します

耐震性能3・・・耐震等級1の1.50倍の耐震性能を持つ。警察署や消防車などの防災の拠点となる建物の耐震性能が該当します

熊本の震災では、最新の建築基準法で建てられた(耐震等級1)住宅であったにもかかわらず、複数の全壊・倒壊事例が報告された一方で、「耐震等級3」で設計された住宅は、ほぼ無傷又は軽微な被害状況であったという報告があります。こうした事からも「家族の命を守る」事は当然の事、「地震の後の生活を守る」事も考えるなら、耐震等級3にすべきだと思います。

耐震等級をアップするメリット・デメリット

耐震性能が向上すれば、「地震に強い」という事ばかりについ目を奪われがちですが、デメリットがないわけではありません。ここでメリット・デメリットを紹介します。

メリット

〇地震に対して強くなる
〇台風や強風の揺れが軽減できる
〇住宅ローンの金利の軽減(フラット35s等)
〇地震保険の割引率UP(耐震等級2:30%OFF 耐震等級3:50%OFF等)

デメリット

〇建物の設計・構造強化による建築コストがUP
〇証明書申請・検査などによるコストUP
〇柱の少ない大空間・吹抜けが設けにくい
〇建物の形状がある程度制限される事も
〇重量のある屋根材(瓦等)を採用しづらくなる

※注)地震保険や住宅ローンの金利の軽減や必要書類は金融機関・保険会社によって異なります。

初音さん:う~ん、確かに地震に強くなって、保険料やローンの金利も安くなるのは魅力的だけど・・・。その分建築費用がUPするのはちょっと~・・・。ちなみに、どのくらいUPするのですか?

:住宅会社によって標準としている建物の構造や仕様・強度が異なりますので、一概には言えませんが、構造材の強度UPや構造計算などを考えると、そうですね木造であれば建物一坪あたり2~3万円UPを目安にされれば宜しいかと思います。
しかし、ここで注意して頂きたいのは、「間取りなどの空間設計」と「構造躯体の強度設計」は相反する部分が多いのでその事は忘れないでくださいね。

初音さん:そうでした!耐震等級をUPさせれば建物の形状や間取りなんかが制限される事もあるんだ。!

:そうなんです。「耐震性」と「間取り・形状」は相反する関係ですから、間取りを始める前に予め耐震性能に対する考えを住宅会社に伝えておくと良いでしょう。

今回はここまでです。この続きは次回お話しさせて頂きます。お楽しみに!

はじめての家づくり

今年も残すところあとわずかですね
クリスマス~年末カウントダウンで令和2年のお正月!楽しいイベントが待ってますね

こんにちはプランナーの渡辺です
今回は家づくりにかかる諸費用についてのお話しです

あなたの今まで一番大きな買い物はなんですか?
もし家を購入する前であればきっと車ではないかと思います
車を購入する時のことを思い出してください
車本体が250万円程度だったとしても・・・各種オプションや税金、申請費用など
かかってしまい250万円があっという間に300万円ぐらいになってしまいます
車と同じく、家の購入でも似たよう事が起きますので注意をされるといいです

家づくりを計画しようと考えた時に、土地と建物の総額で予算設定をする方が多いと思います
例として土地が1300万円建物が1700万円の合計3000万円と考えたとして

ほとんどの方がこれだけでは足りず、150万~200万円程オーバーしてしまいます
それが諸費用分です!

最も多くかかるのが住宅ローンの諸費用です
借り入れ金×約2.2%の住宅ローン保証料=660000円
銀行の事務手数料約3万円・担保設定費用約10万円
契約印紙代2万円などで合計約80万円

次に多いのは土地を購入する時の不動産仲介手数料です
土地が1300万円×3%+6万円×10%(消費税)=495000円
登記費用約15万円・固定資産税日割り分と印紙代約10000円などで約70万円

※銀行によっては、保証料が金利に含まれている場合もあります
土地の手数料は、売主物件だと仲介手数料がかかりませんので495000円は0円になります

ここまでが諸費用のうち多くを占めるものです約150万円です
予算の中入れて計画されるといいと思います

実は、家づくりの諸費用はまだあるのです!次回続きをお伝えさせていただきます