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住宅コラム:地震対策の必要性

2019年11月22日

子育て世代も熟年世代もみんな願いは同じ!!

地震で倒壊しない家に住みたい!!

最新の耐震構造の住まいが何十棟も倒壊した熊本地震。早いもので、あれから3年が経ちました。今もなお復興・復旧作業が行われている事に胸が痛みます。住まいづくりに携わる者としては、地震対策が頭から離れる事はありません。
特にここ我々が住む静岡はいずれ起こると言われております「南海トラフ地震」の中心に位置しております。静岡でお建てになられる皆様方にとって「地震対策」は切っても切れない条件ではないでしょうか。

「地震対策」とは?

現在、建物の地震対策を考える上で代表的なのが「耐震」・「制振(震)」・「免震」のこの3つになるかと思います。以下に簡単ですがそれぞれの特長を記します。

「耐震」とは、字のごとく柱・梁・壁を強くして、どんな地震の揺れにも耐え抜く方法です。建物の耐震性能は一般的に「耐震等級」で表されます。耐震等級は1~3で評価され最も高性能なのが「耐震等級3」です。建物の自重・平面計画・立面計画に大きく影響を受けますので、まずはご自身が建てられる建物の耐震等級を確認する事が大切です。

「制振(震)」とは、地震のエネルギーを熱エネルギーに変える事で揺れを減衰させます。建物の内部に揺れを減衰させる「制振部材」を設置してその効果を得ます。

「免震」とは、地震の揺れを直接建物に伝えない方法です。建物と地盤の間に免震部材を入れて、建物自体の揺れを軽減し壊れにくくします。

「耐震」の特長は?

「耐震」は、一言で言えば頑丈なつくりである事が特徴です。しかし、地面からの揺れをダイレクトに伝えてしまう為、地面から遠い場所(2階・3階)で揺れが大きくなる側面があります。
現行の建築基準法の条件を満たした建物は「耐震等級1」となりますが、建築基準法の定める耐震性能は、「ご家族様の命を守る」事が最低基準と定められており、その為大地震の後に住み続ける事が出来ない耐震レベルと言われております。実際に、熊本の震災では、震度7の余震・本震を受けた事により、最新の建築基準法の条件を満たした(耐震等級1)建物が何十棟も倒壊したという報告が挙げられております。

最善の地震対策は?

熊本地震の検証から、東京理科大学理工学部 鈴木 賢人助教授がNHKの取材に対し、地震対策の最善の方法は、「地震の揺れを建物に伝えにくくする事」だと答えており、最も有効な方法として「制振(震)」と「免震」を挙げておりました。

現在では様々な種類の「制振(震)」装置・「免震」装置が出ていますが、ただ付ければ良いというわけではありません。「地震対策」で最も大切な事は、「耐震」「制振(震)」「免震」それぞれの特徴をよく理解して、ご自身が住む地域に一番適した対策を選択する事が大切です。

あくまで私の考えになりますが、制振(震)装置・免震装置、いずれかを装備する事で建物自体の耐震性を軽視するのではなく、あくまで建物自体は「耐震等級3」である事、その上で、耐震に+技術という考えのもと、制振(震)・免震を選択される事をおススメ致します。

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