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住宅コラム:マイホームの満足度を高めるには?

2020年6月22日

こんにちは、あおば住建の山崎です。

突然ですが、皆様がもし、「あなたは住まいに何を求めますか?」と聞かれたら、どうお答えしますか?答えは一つとは限らないと思います。

人の「価値観」や「感じ方」は、これまでに暮らしてきた「環境」や「経験」に大きく影響されるので、人によって様々な答えがあるハズです。他に影響される事なく、ご自身が何に「価値」を感じるかをしっかりと把握しておく事で「高い満足度」を得る事が出来るのですが・・・、「一生に一度の一大イベント」と言われる家づくりでは、初めてな事だらけで新しい家に暮らし始めてから気付く「失敗」や「後悔」も決して少なくありません。

今回のお話は、温熱環境についてです。これは、住み始めてから気付きやすく、その反面気付いた時には、「後悔」しても改善するのに困難なものです。それでは、始まります。

温熱環境が悪いと起こりうる弊害

温熱環境が劣る事で生じる弊害の一つである、「使いづらい部屋」「使いたくないと感じる部屋」とはどんなものでしょうか?

上のグラフを見てみると、夏場は「寝室」や「居間・食堂」など、「比較的、長時間過ごす部屋」に対しての不満が多く、一方冬場では、「洗面室」や「浴室」「トイレ」など、「短時間だけ利用する部屋」に対する不満が多い事がわかります。

この様に、家づくりをする際に、例えば「快適なリビング」や「開放的な吹抜け」などの間取りやデザインだけに気を取られたり、「浴室」や「洗面所」「トイレ」などでは、設備のグレードだけに気を取られていると、一年を通して高い満足度が得られるマイホームを手に入れる事は困難になってしまいます。

また、昨今、高齢化社会が加速している中、「洗面室」や「浴室」でのヒートショック(温度差による急激な血圧変化)による死亡事故が問題視されております。東京都健康長寿医療センター研究所の発表によると、平成27年度の交通事故による死亡者数の実に4倍以上の方がヒートショックでお亡くなりになっている事がわかっており、ご家族様の命を守る為には、「洗面室」や「浴室」等の温熱環境の改善にも配慮を忘れずに、また、一年を通して「高い満足度」を得る為に、温熱環境にも力を入れた家づくりを考えるべきだと思います。

温熱環境を充実させることで得られる効果とは?

上記グラフを見てみると、全体の68%の人が、温熱環境が良くなると「気持ちや身体に良い影響がある」と答えており、中でも女性の約70%が温熱環境が良くなると「行動量が増える」と答えています。

家庭での家事を担う事が多い女性の行動量が増えれば、新たに手に入れたマイホームでの生活に華やかさが加わり、温熱環境の改善によって薄着で過ごせると、「開放感UP」や「スキンシップの向上」に効果があり、夫婦円満にもつながる事でしょう。

温熱環境の良い住まいに出来ない理由とは?

住まいに対して不満を減らし、夫婦円満にも一役買ってくれる「温熱環境のいい家」ですが、実際に満足のいく家を手に入れた方は少数のようです。では、その理由とはどんなものがあるのか、建物の築年数別に見てみましょう。

上記グラフより、築21年以上経っている住まいでは、全体の半数以上が「温熱環境の良い家が、そもそもなかった。」と答えており、その当時は温熱環境の良い家を手に入れること自体が困難であったと思われます。

しかしながら、「築11年~20年」「築0年~10年」と現在に近づくにつれて、「当時は、温熱環境の良い家がなかった。」という意見が減っている事でも、建築技術の進歩により、今では温熱環境の良い家を手に入れる事はそう難しくありません。
ですが、残念な事に「築0年~10年」の建物に住む人達でも、「温熱環境」及び「温熱環境の良い家」について「知らなかった。」「重視していなかった。」という理由で、「温熱環境の良い家を購入する事が出来なかった」と感じており、「住まいの温熱環境に対する認知度」はまだまだの様です。

温熱環境の良否を見極める為に知っておきたい事とは?

「温熱環境の良い家」を手に入れる為のポイントとして、一体どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?その疑問に対する答えとして、「ご自身の判断基準を持つ」事が大切だと、私は思います。

例えば、いくら住宅会社の営業マンに「我社の家は断熱性能が優れていて、とても暮らしやすいですよ。」などと言われても、基準が無ければ「何をどう比較していいものか、どの程度優れているのか」を理解する事はできません。そこで、知っておいて頂きたいのが、温熱環境に関する用語です。代表的なのは、「Q値(熱損失係数)」「C値(隙間相当面積)」「UA値(外皮平均熱貫流率)」などの用語なのですが、簡単に言ってしまえば、それぞれが持つ数値は、建物の温熱環境に関する性能を表しており、「数値が小さいほど、温熱環境に優れている」という事を示しております。

これらの数値が小さい家が温熱環境の良い家であるのは間違いないのですが、ここが少しややこしい話になるのですが、温度に対する感じ方は人それぞれ違いますし個人差が大きいものです。また、これまでに暮らしてきた家の温熱環境によっても大きく変わります。

例えば鉄筋コンクリートのマンションなどの建物は「Q値」「C値」「UA値」の数値が低く、温熱環境に優れています。しかし、一方で「木造」や「鉄骨造」の建物(一般的な戸建住宅)はそれぞれの数値が高く、お世辞にも温熱環境が良いとは言えません。

ですから、今まで、鉄筋コンクリートのマンションなどの建物に住んでいた方が、一般的な木造や鉄骨造の戸建住宅に住み始めると、「温熱環境の満足度」は下がりやすい傾向にあり、逆に、一般的な木造や鉄骨造の戸建住宅に住んでいた方が、鉄筋コンクリートのマンションなどの建物に住み始めると、「温熱環境の満足度」がUPする事がほとんどです。とは言え、実際にいざ、マイホームを購入するとなっても、購入する前に実際に住んでみて体感する事なんてほとんどできません。

だからと言って、家づくりの満足度に直結しやすい温熱環境を「一生に一度の大イベントである家づくり」で、おざなりにしていいはずがありません。ですから、「現在家づくりを計画されている方」や「これから家づくりをお考えの方」は、必ず、温熱環境に対する配慮も忘れずに家づくりをされる事をおススメ致します。

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